子犬系男子は待てを知らない


「あれ?」


ま、たまには一人もいいか〜なんて考えていた時、とある机の上に乗っていた物の存在に視線を奪われた。


「なんだろ⋯⋯」


とある机とは、雪平くんの席で。

その上にぽつんと残された紙袋の空いた口を覗いてみると、中にいた白いタオルと目が合った。


これ、ないと雪平くん部活で困っちゃうよね?

早く届けないと──。


そう思って歩き出した直後、不意に足がピタリと止まった。

< 120 / 352 >

この作品をシェア

pagetop