子犬系男子は待てを知らない
──ピーーーーーッ。
「休憩ーー!」
ホイッスルと共に、先生の大きな声が剣道場に反響した。
それをきっかけにぞろぞろと部員のみんなが端へ移動していく。
ポスッ。
雪平くんがお面を外した瞬間、
「「きゃ〜〜〜!」」
と悲鳴が起こった。
うわぁ。
汗の滲んだその顔はなんだかキラキラして見えて、思わず息を呑む。
……部活中の雪平くんって、こんなクールな顔してるんだ。
袴姿なのも相まってか、いつもより男らしい感じがするっていうか……。
と、つい見入ってしまったその時、バチっと電流が走ったみたいな感覚がした。
「⋯⋯っ!」
⋯⋯目ぇ合った!