子犬系男子は待てを知らない


⋯⋯天然?


脳内で考えを巡らせている途中で、雪平くんが言ってきた。


もうっ、 それは雪平くんでしょ!


あたしはそう言い返そうと思ってやめた……というか言えなかった。


伏せられた目。

眉間に寄った皺。



雪平くん、なんか怒ってるみたいなんだもん。



「あの、雪平く──」

「俺のこと、からかってる?」


え?


「からかってなんか⋯⋯」

「俺が璃子ちゃんのこと好きなこと、知ってるよね?」

「は、はい⋯⋯」

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