子犬系男子は待てを知らない
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「はぁ〜疲れたぁ」
今日の体育はグラウンドでサッカーだった。
だからもう、走り回って足は限界。
授業は終わりのチャイムが鳴る5分ちょっと前に終わって、今はその足をなんとか動かして手洗い場へ向かっている。
「あんたサッカー好きだっけ?」
ちょうど手洗い場の前に着いた時、愛花が言った。
「んー、特別好きってわけじゃないけど。勝負事はどうしても本気になっちゃう性分なもんで」
……ってのは、半分だけ。
もう半分は別。
今日は目の前のことに集中してないと、余計なこと考えちゃうんだもん……。
「ふっ。さっすが」
「まあね〜」
そう言って手をタオルで拭いて、靴箱へ向かおうとしたのに。
「「……あ」」
ドクン! と大きく心臓が跳ねて、あたしは次の一歩を踏み出せなくなってしまった。