子犬系男子は待てを知らない
「えー今日の日直は……藍原だな。これ、あとで図書室まで運んでおいてくれ」
帰りのHRの時間。
さっきのLHRで使った本たちをぽんと叩きながら担任が言った。
うそでしょ……。
そう思いながらも、あたしは「はい」と短く返事する。
まさか最後の最後に雑用が回ってくるなんて、ついてない。
あとは日誌を職員室に届ければ日直の仕事から解放されると思い込んでいただけに、あたしの気分はズーンと一気に落ち込んでしまった。
なぜかこのクラスの日直は、一人で担当することになっている。
つまりは、あたし一人で20冊近くあるあの本たちを運ばなければいけない、というわけで。