子犬系男子は待てを知らない


……まーいーや。愛花に手伝ってもらお。

そう決めたあたしは、愛花のところへ頼みに行ったんだけど。


「ごめん、私掃除当番」


そうだった……。


しかたない。

フラれたあたしは腹を決めて、一人で図書室へ向かうことにした。



「……うっ」


重っ。


腕にずっしりと感じる重み。


面倒だし、これくらい一気に一人で運んじゃえー!

なんて甘い考えをしたのが悪かった。

教室から出てまだすぐだというのに、あたしの両腕は今、すでに悲鳴をあげている。

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