子犬系男子は待てを知らない
「そっかぁ。璃子ちゃんは犬より猫派なんだね」
「は、はい」
……よかった、雪平くんが天然で。
──そんなこんなで、図書室まで本を届け終えた帰り道。
「ありがとう、助かった」
「どういたしまして」
あたしには、さっきから言おうか言わまいか悩んでいることがあった。
今あたしと雪平くんは二人きり。
そんなの、なかなかないチャンスなんだもん。
……やっぱり。
ずっと心に引っかかっていた〝あのこと〟を訊くなら、今しかないよね?
「ねぇ雪平くん」
「ん?」
「気になってた事があるんだけど……」