子犬系男子は待てを知らない


……はぁ。

ダメだなぁ、あたし。

自己嫌悪に襲われ、あーあと肩を落とす。


どうにか、伝えたいのに……。


そうやってもだもだと考えているうちに、いつのまにか5時間目のチャイムが鳴っていた。



***



「きゃ〜っ。うそうそ、ついに告っちゃうの!?」


放課後、帰ろうと荷物をまとめたところで何やら浮ついた声が聞こえてきた。


「そうなの。明日先輩と二人きりになる約束したから、その時に」

「すごーい。頑張って!」

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