子犬系男子は待てを知らない
恋バナ……?
告白だなんてすごいや。
それも、先輩にとか。
勝手に聞いてしまって申しわけないけど、
今のあたしの胸には、その彼女の愉しそうな声がグサリと突き刺る。
「でもなんで急に? 告白なんて無理ーって、こないだまで言ってたのに」
「それがさ、ほら……この学校に伝わる恋のジンクス、知ってる? 試してみようかなーって思って」
「えー、なにそれ」
……恋のジンクス?
聞こえてきた言葉の方へ、意識が持っていかれた。
ドキ、ドキ。
自然と耳を済ませて聞いてしまうあたし。
なんでか、気になってしょうがない。
「文化祭当日、12時までに……──」
──はっ。
その時あたしの頭にビビッと電流が走った。
「それだ!」