子犬系男子は待てを知らない
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「わあ、すごい!」
〝文化祭〟
登校早々、あたしはドーンと校舎に掲げられた垂れ幕を見て感動の声をあげた。
今日は、あたしにとって高校初めての文化祭。
昨日愛花が教えてくれた通り、空は綺麗な青色だ。
「璃子どれ気になる?」
「えーっとぉ」
愛花に促され、パンフレットを開く。
この謎解き脱出ゲームなんて楽しそうだし、縁日も気になるなぁ。それから劇と、あとは……。
「選べない〜〜」
「わかるー!」
賛同してくれた愛花とキャッキャと笑いながら、教室まで向かう。
選べないほどどれも魅力的。
それは本当なんだけど、決められないのにはちょっと別の理由もあった。