子犬系男子は待てを知らない
「痛ったぁ……ごめん」
急に背中を押され、誰かにぶつかってしまった。
愛花のやつ……と恨みながら、おでこを押えて顔を上げる。
すると。
「璃子ちゃん? 大丈夫?」
「ゆきっ……!」
バッチリと目が合った瞬間に、思わず顔を逸らしてしまった。
遠目から見た雪平くんもそうだったけど、近くで見たら更に破壊力がハンパなくて。
あーダメかっこよすぎる……!
「雪平くん、雪平くん」
「ん?」
心を落ち着けている最中、聞こえた声に振り向くと愛花がちょいちょいと手招きをしたのが見えた。
「耳貸して」