子犬系男子は待てを知らない
あーーもうっ!
……まただ。
これはあたしの悪い癖。
ほんとは言いたいことあったのに、この口がいつも勝手にペラペラと違うことを喋ってしまう。
「……はぁ」
桃園さんに連れてかれちゃった。
あとでまたチャンス探さなきゃ……。
なんだか嫌気がさし、頭を抱えたそんな時。
「私に任せて」
あたしと同じメイド服姿をした愛花が、こっそり耳打ちしてきた。
「隠しても無駄よ。あんたあのジンクス、決行するつもりなんでしょ?」
「っ!」
うそ、いつバレたの……!?
「あとで二人きりにしてあげる」