子犬系男子は待てを知らない
二人きりにって……どうやって?
さっぱりわからない。
正直さっき雪平くんに声をかけたのはそのためだったから、それが叶うならありがたいんだけど……。
「ねぇ、どうするの?」
手が空いた隙を見て何度か聞いてみるも、全く教えてくれず。
ただ、〝シフト終わるまで待ってて〟とだけ答えた愛花。
結局何の考えも掴めないまま、シフト終了の時間を迎えた。
「お疲れ〜」
次の時間の子たちと交代し、やっと一息つく。
開店から今まで、あたしたち1年C組の教室は大繁盛だった。
にしてもすごかったなぁ……雪平くん。
お客さんから大人気で、色んな席に呼ばれてたのに。
あたしが見た時にはずっと笑顔だったんだもん、感心しちゃう。
「さてと!」
今は11時過ぎたばかり。
大丈夫。まだ1時間くらいある。
えっと、雪平くんは……。