子犬系男子は待てを知らない


「愛花見なかった?」

「……これ。藍原に渡してくれって」

「え?」


山岡くんが差し出した紙を開くとそこには、


〝お前の執事は預かった。返してほしければ5階・第3多目的室へ来い〟


と殴り書きの字で書かれてあった。


「……はぁ」


そういうことか。


「ごめん。ありがとね、山岡くん」


全て理解したあたしは、黙ってその紙に従い指定場所へと向かった。

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