子犬系男子は待てを知らない
「ねぇ、雪平くん?」
いつもそう。
雪平くんは、逃げてばかりのあたしにまっすぐに感情をぶつけてくれて、いっぱいに届けてくれてたよね。
だから今度は、あたしの番。
過去とか、未来とか、
拘ってる今ほどつまらないものはないから。
「あたし、雪平くんにどうしても伝えたいことがあるの」
まっすぐ前を見据える。
ジンクスなんかなくたっていい。
ちゃんとあたしの意思で、声で、届けたいんだ。
「だから、あたしに時間をくれる?」