子犬系男子は待てを知らない


ヤバい。

心臓の音が、それ以外何も聞こえないくらいに、

今まで聞いたことのないくらいの大きさで、うるさく鳴ってる。


……でもこれ絶対、あたしのだけじゃないよね。


だってほら、聞こえるもん。

あたしのとは別の音。


「はぁーー。どうしよう俺、今人生で一番嬉しい」

「お、大げさだって」

「大げさなんかじゃないよ」


照れ隠しで言ったあたしの言葉は、すぐに否定されてしまった。


「璃子ちゃんめちゃくちゃモテるしさぁ……」

「え、そんなこと……」
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