子犬系男子は待てを知らない


「今日だって何人の人が璃子ちゃんのこと見てたと思う? 今朝も旭くんとまた仲良さそうに話してたし」

「旭……は、だからそんなんじゃなくて」


あの時見てたんだ……。


「わかってる。わかってるけど……。ずっとずっと……もうダメかもって思ってた」

「……っ」


一気に雪平くんの重みを感じ、受け止めるように背中に腕を回した。


こんなに甘えてくるの、初めてだ。


……ずっとそうやって思ってくれてたんだね。

不安にさせてごめんね。

あたしのこと好きになってくれて、ずっと好きでいてくれて、ありがとう。


「あたしが好きなのは、雪平くんだけだよ」


よしよしとその背中を撫でていると、ほどなくして雪平くんが身体を起こした。


自然と合う目と目。

そして、


「璃子ちゃん。俺も璃子ちゃんが大好きです。俺の彼女になってくれますか?」


うわぁ。

どきどきする。


「……はいっ、もちろんです」


あたしはすぐさま雪平くんの首元に飛びついた。

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