子犬系男子は待てを知らない
「じゃあ、さっそくなんだけど」
そう言って切り出した雪平くん。
「今度は俺に、時間をくれますか?」
「……っ」
可愛いかと思ったらかっこよかったり。
鈍感で天然かと思いきや、意外と鋭くて強引だったり。
雪平諒という男は、ほんと罪な人。
そんな罪な人にいつもあたしはかき乱されて。
いつの間にか、ハマってしまって。
だから、なんだろ。
やっぱり雪平くんは天使っていうより、天使時々小悪魔って感じね。
「はい」
あたしは迷わず、そう返事する。
すると彼は、こっちに手を差し伸べて続けた。
「璃子ちゃん、今度俺とデートしよ」
……そんなの。
返す言葉は一つしかない。