子犬系男子は待てを知らない
***
それから軽くご飯を食べ、2回目の持ち場に戻ったあたしと雪平くん。
戻って早々、愛花の質問攻めにあったのは言わずもがなで。
一応協力してくれた彼女には言っておかなきゃねと、こっそりさっき出来たばかりの〝秘密〟を伝えておいた。
こうして、あたしの初めての文化祭は波乱の中終わりを告げた。
初めての文化祭。
それがまさか大切な記念日になるなんて、未だに実感がないけれど。
……これからよろしくね、雪平くん。
あたしの心はこれから始まる新しい日々に、期待でいっぱいになっていた。
それと同時に。
あたしが、雪平くんの笑顔を守る!
そんな、密かな目標が生まれたのだった。
……あ、ちなみに。これは2回目のシフトに戻る前に雪平くんに聞いた話だけど。
1回目のシフトの時、愛花が雪平くんに耳打ちしてたでしょ?
なーんか怪しいとは思ってたけどあれね!
『璃子が執事姿の雪平くんに見惚れてたよ〜』
なんて、そう言ってたみたい。
本人に言うなんて信じられないよね?