子犬系男子は待てを知らない


「こっちがよかった?」

「……っ」


声を発する暇も与えず絡められた指。


⋯⋯いわゆる、恋人繋ぎというそれは、

さっきよりも雪平くんの手を感じて、しっかりと繋がってる感じがして、

なんだか身体にきゅーっと力が入る。


やばい。


鏡なんて見なくてもわかる。

絶対あたしの顔、赤くなってる……。



「あ。あっちのホームみたい」

「うん……」


まだデートは始まったばっかなのに。

あたし、こんなんでもつのかなぁ……。

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