子犬系男子は待てを知らない
そうしてドキドキ全開のまま電車乗ること約30分。
あたしたちは目的の場所へとやってきた。
「わぁー!」
すっごい。
都内最大級のテーマパークを目の前にし、思わず感動の声を洩らしてしまった。
ここに来たのはいつぶりだっけ。
たしか、4年くらい前に家族3人で⋯⋯いや、違うな。
中2の時、愛花と他の友達2人と遊びに来たんだ。
それが最後だから⋯⋯。
「あ⋯⋯」
〝甘〜い苺ミルクアイス〟
脳内で記憶を辿る最中、
ふと大きなピンク色の登りが視界に飛び込んで見入ってしまった。
この前来た時にはなかったのに。
時の流れは恐ろしい。
ほかにも、前に来た時とはちょっとずつ変わってるような気がする。
「璃子ちゃん、どーしたの?」
「あっ、ううん。なんでもない」
いけない、ついぼーっとしちゃってた。
覗き込んできた雪平くんの方を向き、あたしは「行こっ」と言って足を進めた。