子犬系男子は待てを知らない


……うんそうよ。

あの時は全然気にならなかったじゃない。


だから今回も一緒。

ドキドキは気のせい。

何も考えずにいればいいだけ。



「あ、ごめん。間接キスしちゃった」


──ピシャーン。

雷に撃たれた感覚だった。


せ、せっかく人が言わないでいたのに……!


もだもだとするあたしをよそに、呑気に「あはは」と爆弾を落としてきた小悪魔を睨む。


「ねぇ雪平くん?」


気づくの遅すぎだし。

全然ごめんの顔してないし。

そもそもそういう概念あったのびっくりだし。

あははって笑い方かわいすぎだし。


……最後はちょっと関係ないけど。

とにかくこれだけは言わせてほしい。

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