子犬系男子は待てを知らない
「そーゆーの、あんまり他の人にはしちゃだめよ?」
なんせ雪平くん。
ちょっと怪しいかも、なんて思うあたしがいるのも事実。
「大丈夫。璃子ちゃんにしかしないよ」
「えっ、や、そういう意味じゃ」
「……違うの?」
「ち、違うこともなく──」
あーもうっ。
言わなきゃよかった。
たしかに、あたし以外にするのが嫌だって気持ちもあるけど、
ただ今後無自覚に他の誰かにそーゆうことして驚かせないようにと思って言っただけで……。
って、やめよ。
否定すれば否定するほど、言い訳みたいになるだけだわ。
あたしは火照る身体を鎮めるように、溶けかけのいちごアイスにかぶりついた。