子犬系男子は待てを知らない


「そーゆーの、あんまり他の人にはしちゃだめよ?」


なんせ雪平くん。

ちょっと怪しいかも、なんて思うあたしがいるのも事実。


「大丈夫。璃子ちゃんにしかしないよ」

「えっ、や、そういう意味じゃ」

「……違うの?」

「ち、違うこともなく──」


あーもうっ。

言わなきゃよかった。


たしかに、あたし以外にするのが嫌だって気持ちもあるけど、

ただ今後無自覚に他の誰かにそーゆうことして驚かせないようにと思って言っただけで……。


って、やめよ。

否定すれば否定するほど、言い訳みたいになるだけだわ。


あたしは火照る身体を鎮めるように、溶けかけのいちごアイスにかぶりついた。

< 228 / 352 >

この作品をシェア

pagetop