子犬系男子は待てを知らない
『ん?』
ふと、橋の真ん中辺りに佇む人影が目に入った。
手すりにもたれ、ただ一点を見つめるその様子がなんだか妙に気になって。
気づけばじぃっと見つめてしまっていた。
……わぁ、きれいな人。
筋の通った鼻に、伏せられたまつ毛。
どこか憂いを帯びたようなその横顔に、あたしは吸い寄せられていた。
同い年くらいの男の子かな……?
……って。
泣いて、る?
──はっ、とその時脳裏によからぬ映像が浮かんだ。
ま、まさかこれって、テレビドラマでよく見るあのシーンじゃ……!?
そう思ったら考えるより先に身体が動き出していた。