子犬系男子は待てを知らない
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「えーーーっ! 婚約者ぁ!?」
あたしは堪らず驚きの声を上げた。
だってだって、そんなまさか……!
現在あたしは愛花と桃園さんと、そして桃園さんと一緒にいた男の人と近くのカフェに移動し、話を聞いてるんだけど……。
「すみません、あたし勘違いして……」
思いもよらぬ展開に冷や汗が吹き出す。
どうやらこの男の人は、桃園さんの幼なじみでしかも婚約者らしい。
そうとは知らずにあたし、とんでもなく失礼なことしちゃったかも。
「いえ、そんなお気になさらず」
あたしが頭を下げると、その人は顔を上げるように促した。
……にしても、桃園さんにそういう人がいたなんてびっくり。
あたしは無意識にも愛花と顔を見合せた。