子犬系男子は待てを知らない
「あれ、その人って……」
「はい?」
ぎゃーーーーーーっ!?
丹羽さんの視線の先を見ると、行きついたのは机の上に置かれてあったあたしのスマホ。
それが何かの通知によって、ロック画面になっている。
「えっと」
まずい。
よりにもよって、この前雪平くんと撮った写真を見られてしまった。
……どうしよう。どうしたらいい?
ただそう思うだけで、なんの言葉も見つけられないあたしは青ざめていくばかり。
ゴクリ生唾を呑み込むと、桃園さんがあたしの方へ近づいた。
「藍原さん」
「は、い」
「これ、どういうことです?」
いつもより鋭い口調にたじろぐ。
揺るぎない目に見つめられては、どうすることもできなかった。