子犬系男子は待てを知らない


きゃ〜〜〜っ!

やだ、あたしったらもぉ〜〜〜!


自分の妄想にドキドキしちゃい、熱を帯びた頬に手を当て身をよじった。



「いいなあ……」


自らの唇に指で触れ、思いを馳せる。


……雪平くんも。

あたしとまたしたいって、思ってくれてるのかな……?


早く会いたい。

昨日会ったばかりだけど、もう恋しくなってる。

好きって認めてから、どんどんどんどんあたしの中が雪平くんで埋められてるみたい。


こんなにも好きって気持ちが膨らんでたなんて。

変な感じ。

自分でも驚いちゃう。


……あ。

ふと、何時か確かめようとして思い出した。


そういやさっき、LINEが来てた気が。

それどころじゃなくて見てなかったけど……。


「ふふっ」


雪平くんだったらいいなぁ。


ふんふんふ〜んと鼻歌を歌いながら、スマホを取り出す。

しかしすぐに、ピタリとその指が止まった。



「……遥斗?」


あたしは目にしたその名前と内容に、暫く次の動作を忘れて固まってしまった。

< 258 / 352 >

この作品をシェア

pagetop