子犬系男子は待てを知らない


「──というかんじ、です」

「勘違いで人助けなんて、璃子らし」

「……あの時はもう、混乱してて。恥ずかしい限りよ」



それが数日後、同じ高校でばったり再会するとは誰も考えないよね。


はっきり言って、最悪の第一印象を植え付けたくらいに思ってた。

それなのに、再会するや否や雪平くんはめちゃくちゃフレンドリーに話しかけてきて。

いつの間にか、お昼を共にするようになって。

しかも今日、こんなことになって……。


あたしにはもう何がどうなってるのか──。



「りーこちゃん!」

「ひゃあっ!」


ゆっ、雪平くん!?


びっくりしたあ。

さっきまで頭の中にいた人が突然目の前に現れるんだもん。


というか……。

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