子犬系男子は待てを知らない


そして一気にドアをスライドして中に入ると、クラスメイトの女の子二人と目が合った。


「あ、璃子おはよー!」

「おはよっ」


「おはよー、茉耶(まや)冬華(とうか)


にこりと振られた手に、いつものように笑って返す。

だけどそのまま席に着こうとしたその時。


「ん? 元気ないじゃん、どうした?」

「……っ!」


茉耶に覗き込まれて、心臓が跳ねた。


……うそ。

もしかして顔に出てた?


でも、心配かけたくないし──。


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