子犬系男子は待てを知らない
「げっ、元気元気っ!」
「そお……?」
「そうそう!」
何とか焦る気持ちを抑えながら、必死に笑顔を作る。
……それが、どうやら上手くいったみたい。
「そうだよねー、璃子にはかっこいい彼氏がいるんだもん。毎日幸せかー」
うんうんと頷いた冬華に、少しほっとしてしまった。
「いいな〜。雪平くんが彼氏なんて羨ましい」
「「ねー!」」
「はは……」
いつの間にか、あたしと雪平くんが付き合ってることは周知の事実になっていた。
噂話が広まるのって、すっごく早い。
それも人気のある雪平くんの噂だからか、余計に早かったような気がする。
「あ、来たよ璃子」
「え──?」