子犬系男子は待てを知らない


「あちゃー、とられちゃったね」

「男子ったらほんと空気読めないなー」


なんて不満げに言う二人の傍で、あたしはドクドクと鈍い音を立てる胸の上に手を置いた。


雪平くん……。

明らかにいつもと様子が違ってた。

笑顔だったけどどこがぎこちなくて。

いつもなら朝会った時もっと話しかけてくれるのに、それもなくて。


やっぱりあたしのこと……。

それしかない。


……昨日のこと、ちゃんと謝るべきだよね。

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