子犬系男子は待てを知らない
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次の日。
鳴り止まないアラームの中、あたしは違和感を覚えた。
頭が痛い。
ズキズキと、いつもは感じないほどの痛みだ。
──ピピッ。
測ってみた体温計の数字を見て、確信。
「熱か……」
そこには、38.1と記されていた。
……大丈夫だと思ってたんだけどなぁ。
昨日の放課後、雨の中走るという強硬手段に出たあたし。
そのまま小降りで帰れたらよかったんだけど、途中から本降りになっちゃって。
ずぶ濡れになったあたしは、お手本のように風邪をひいてしまった、というわけだ。
自業自得といえばそうなのかもしれないけど。
「最悪……」
よりにもよって何で〝今日〟なんだろう。
今日だけは、絶対に雪平くんと仲直りしたかったのに……。