子犬系男子は待てを知らない


この熱では無理だと判断したあたしは、薬を飲んで学校を休むことにした。

愛花にも、今日は休むと連絡を入れておいた。

雪平くんには……なんとなく伝えられないまま、いつの間にか眠りについていた。



次にあたしが目を覚ましたのは、


──ピンポーン。


そんなチャイムの音がした時だった。



「あれ、もうこんな時間……」


壁掛け時計を見て、もう14時になっていたのかと気づかされる。

風邪だから仕方ないのかもしれないけど、我ながらこんなに寝られるものなのかと驚いた。

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