子犬系男子は待てを知らない
🍓子犬系男子は待てを知らない
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──あたしはまだ寝ぼけているのだろうか。
目の前に、こんなところに雪平くんがいるなんて、そんなのおかしい。
きっと、何かの間違い、よね──。
「……ごめん。勝手に来ちゃった」
暫く呆然と立ち尽くしていると、幻覚なのか分からないその人が、口を開いた。
「どうして」
雪平くんには、何の連絡もしてないのに。
「住所は関口さんから聞いた。今家に璃子ちゃん一人だってのも」
「……そっか」
「璃子ちゃんが学校休むのも珍しいし、やっぱり心配でさ」
困ったような、優しい笑顔だった。
……雪平くんだ。
あたしの作りだした幻でもなんでもない、本物の雪平くんだ。
「ありが、と……」
嬉しい。
あたしのこと……心配してくれてたんだ。