子犬系男子は待てを知らない
「そうだ、あたし。もう一度ちゃんと雪平くんと話したくて……っ」
昨日そう決めたんだ。
絶対に、何があっても話し合いをするんだって。
せっかく両想いになれたのに。
こんなことで壊れちゃうなんて、絶対に嫌だから。
「だめ、かな?」
熱のせいでかぼやけた視界。
それが、じわっと動き出した時だった。
「うん、俺も話したい。……そのつもりで来たから」
「っ」
真っ直ぐで優しい声が、胸を震わせた。
……なにそれ。
雪平くんも、あたしとおんなじ……だったの?