子犬系男子は待てを知らない


「ねぇ、中入っていい?」

「え……いいけど」

「リビング、ソファある?」

「うん……」


終始疑問符を浮かべながら答えたあたしに、雪平くんがまた更にその数を増やすことを言った。


「ちゃんと掴まってね」


……掴まっ、て?


「……っ!?」


ふわっと身体が宙に浮いた。


えっえっえっ?

パニックになり、言葉が出ない。


「ちょっ……!?」



──こっ、これって、お姫様抱っこじゃ……?

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