子犬系男子は待てを知らない


理解するや否や、雪平くんは不敵な笑みを浮かべ、あたしの髪を撫でた。


「体調悪い時はちゃんと寝てないと、だよね?」


……くっ。

なにこれ、なにこれなにこれ!

こんなの心臓もたないよ!


「こーゆのは、初めて?」

「……そ、そうだけど」


知ってるくせに。

ブラックモード雪平くんは、意地悪だ。


「じゃあこれは?」


と、次に落とされたのは、頬に伝う柔らかい感触だった。

気のせいじゃない、たしかにあたしの頬に雪平くんの唇が触れて──って。

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