子犬系男子は待てを知らない


ただずっと、怖かった。

このままどうにもならなかったら……。

もう仲直りできなかったらどうしようって、不安で不安で仕方なかった。


だけど、あたしたち。

ちゃんと仲直りできたんだよね……?


だったらもう、どうだっていいの。


「うぅ……好きぃ〜」


両目から零れていくそれと同じように、気持ちが溢れて溢れてしょうがない。


少し前までは恋愛を諦めていたなんて、嘘みたい。

今はこの恋に出会えて本当によかったって、心の底からそう思ってるんだ。


全部全部、あなたのおかげだね──……。


「俺もだよ。生まれてきてくれてありがとう」

「……うんっ」


だからそんなあなたに今、どうしても伝えたいって思った。


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