子犬系男子は待てを知らない


「もうっ、待ってって言ったのにぃ〜」

「しらなーい」


睨みつけるも、反省の色全くなし。

それどころかこうも堂々ととぼけられちゃ、もう呆れることしかできない。


でも、本当はあたしも……。

なんて、今日は秘密だけど。


「……風邪うつってもしらないからね」


あたしは満足そうな顔をしている彼に向かって、呟くようにそう言った。

けれど彼は、そんなあたしの忠告なんて気にせずいつものように無邪気に笑う。



「じゃあ、風邪治ったらもう一回してくれる?」

「……っ」



……やっぱり、あなたはずるい。



──甘酸っぱくて、優しくて。

そう……まるで、苺ミルクみたいな。

そんな恋。


あなたとなら永遠に、最高の恋をし続けることができる気がするの。



「……そ、そりゃあ、もちろんよ」



これからもあたしの大好きを全部全部あげるから。

なるべくたくさん。……ううん。


ありったけの分、受けとめてね。

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