子犬系男子は待てを知らない
🍓エピローグ
*
──あれから、数日が過ぎた。
すっかり体調もよくなり、元通り元気になったあたし。
数日間にも渡る期末テストも無事、受け終えることができた。
結果は……まだ返ってきてないからわからないのが怖いところだけど。
とりあえず、雪平くんに風邪がうつらなかったみたいだから、それだけは一安心だ。
「あっつー」
登校後まだ間もない教室。
鞄をドサッと机に下ろすなり、愛花がパタパタと自らの手を団扇にしながら唸り声をだした。
エアコンも効いてはいるみたいだけど、首筋には滴る汗が光る。
早くも鳴き始めた蝉の声が、よりその暑さを感じさせている。
……もう夏か。
高校に入学して、早くも3ヶ月になるだなんてびっくりだ。
こうやって、学校まで登校してきて、授業を受けて、お弁当を食べて、他愛ない会話で笑って。
そんな生活が、すっかり当たり前になってしまった。
変わらない毎日。
ただ一つ、変わったことといえば──。