子犬系男子は待てを知らない
「旭くん! おはよ」
「おっす、雪平」
──この二人、こんなに仲良かったっけ?
目の前で自然と交わされるやり取りは、違和感でしかない。
女の勘、って言ったらおかしいかもしれないけど。
なんとなく、以前よりもその距離は近いというか。
それに、どちらかと言えば雪平くんの方が懐いているような……。
「あ、そうだ」
まじまじと観察をしていると、その目がこちらを向いた。
「旭くん、すごくいい人なんだよ」
「……ん? なになに?」
「俺、旭くんのおかげで目を覚ませたんだ。この前、璃子ちゃんが──」
「や、なんでもないから」
目を輝かせる雪平くん。
しかしあっという間に遮られてしまった。