子犬系男子は待てを知らない
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「ありがとう、諒くん」
「ううん。それより璃子ちゃん、あのことちゃんと覚えてる?」
「……あのこと?」
1階にある職員室から帰る途中、口角を高くしながら言った彼の言葉に、あたしは露骨に首を捻った。
「だめだよ、自分の発言には責任もってくれなきゃ」
……はて。
彼は一体何を言っているのだろうか。
「期末テスト、この前終わったでしょ?」
「え、うん……」
「ということは。これから時間、たっぷりあるもんね、璃子ちゃん」
……あっ!
「思い出した?」
「……うん」
そんなこと、この口が言ったような気がする。
だけど。