子犬系男子は待てを知らない
「……これ。ありがとうございます」
母さん、何渡したんだろ?
ここからじゃ見えなかったけど、受け取った璃子ちゃんの顔はとっても嬉しそうに見えた。
***
「ありがとね、璃子ちゃん。ついてきてもらって」
「ううん。会えてよかった。ステキな人だったね、諒くんのお母さん」
病院から出た俺たちは、次にショッピングセンターに向かうため駅へと向かう。
そんな中、璃子ちゃんが俺の顔をじぃーっと見たかと思うと、どこか愉しそうにクスッと笑った。
「どうしたの?」
「ん? やっぱり親子だなーっと思って」
「……え?」