子犬系男子は待てを知らない


「……これ。ありがとうございます」


母さん、何渡したんだろ?

ここからじゃ見えなかったけど、受け取った璃子ちゃんの顔はとっても嬉しそうに見えた。



***



「ありがとね、璃子ちゃん。ついてきてもらって」

「ううん。会えてよかった。ステキな人だったね、諒くんのお母さん」


病院から出た俺たちは、次にショッピングセンターに向かうため駅へと向かう。

そんな中、璃子ちゃんが俺の顔をじぃーっと見たかと思うと、どこか愉しそうにクスッと笑った。


「どうしたの?」

「ん? やっぱり親子だなーっと思って」

「……え?」

< 332 / 352 >

この作品をシェア

pagetop