子犬系男子は待てを知らない
そんなに顔似てるかなあ?
たしかに、どちらかと言うと母さん似だって言われることの方が多いけど。
うーんとその意味を考えていると、俺の前に握った手が差し出された。
「ほら、これ」
パッと開かれたその中に入っていた物。
その正体に、俺は思わず目を丸くした。
「いちごみるく、キャンディ……」
「ふふっ。諒くんもお礼だって言ってくれたことあったよね」
うっ……母さんめ。
恥ずかしいじゃんか……。
堪らず赤くなっているであろう顔を隠すように視線を逸らす。
すると、
「なんか、嬉しいんだよね」
と璃子ちゃんが続けた。
「あたし、苺が好きでしょ? だから、共通点見つけたみたいで」
そんな言葉に振り向くと、無邪気に笑う横顔が目に映った。