子犬系男子は待てを知らない
……ああ、なんて言うんだろうな。
もどかしくて、心地よくて、温かくて。
胸の奥がぎゅうっと掴まれたような、この感覚。
「思った通りだった……」
「へ?」
……そう。
君と初めて出会ったあの日、不思議と確信したんだ。
ちゃんと話したわけでもない。
たった一度、会っただけなのに。
「なんでもない」
「えー? なになに? あたし、変なこと言った?」
あの時俺を救ってくれた君に、こんなことを思ったんだ。
『君みたいな子がそばにいたら、幸せで堪らないだろうな』
ってね。