子犬系男子は待てを知らない


って、ちっがーーーーーう!

ちょっとときめいちゃったけど、そうじゃないの。


……もう、なんでよ。

あたしはもっとこう濃厚に、濃密に、イチャイチャしたいのにぃ!


よっし。こうなったら、最終手段。

いくしかない……!



「諒くん、ちょっとお腹空かない? あたし、お菓子持ってきたんだ」

「えー、じゃあちょっと休憩して食べよう」

「うん! ふふっ。でねでね、一緒にやってみたいことあるんだけどー」


なに? と興味を示してきた彼に、あたしはすかさず言い放つ。


「ポッキーゲーム」


沈黙が生まれた。

ま、それもそうよね。

いきなりだし。

真夏に? って感じだし。


だけどここで怯むよう半端な覚悟で臨んでるわけじゃない。


「諒くん甘いの苦手だから、ビターにしてみたの」

「えっと、璃子ちゃ……」

「どうしよっかなあ。やっぱり、罰ゲームありの方がおもしろいよね〜」

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