子犬系男子は待てを知らない
「っ、ふっ……んっ……」
「はぁ……っ」
やばい……頭がぼーっとしてきた。
耳元で響くその音があたしの本能を刺激して、脳をとろとろに掻き乱してくるんだ。
……ああ、だめっ。
身体がガクッとして倒れそうになったところで、諒くんの腕がそれを支えた。
「……はぁっ、力、抜けちゃった? かわい」
「っ!」
「しっかり掴まってて?」
あたしは言われるままに、諒くんの首元へ腕を絡めた。
……さっきまであたしに触れるのを躊躇ってた人とは、ホント別の人みたいだ。