子犬系男子は待てを知らない


……もう。

なんでそんな可愛いことするかなぁ。


自然と頬が緩んでしまうのが自分でもわかった。

胸がそわそわとして落ち着かなくって、堪らずきゅっと手を握りしめる。


「雪平く──」

「やべっ、早く! 急げ急げ」

「わーってるって!」


……なに?

突然、頭上から聞こえてきた騒がしい声に意識を持っていかれた、次の瞬間だった。



──ドンッ。



「へっ……?」


まっ、

うそ。

ぶつかった?


っていうか今あたし────。

< 37 / 352 >

この作品をシェア

pagetop