子犬系男子は待てを知らない
「うっ……」
身体に走った衝撃に、思わず声を洩らした。
いった……あ?
階段から。
それも、6〜7段ほど上がったところから落ちたはずなのに。
あれ?
……そんなに痛く、ない?
それになんだろう。
なんか甘くていい匂いが──。
「……っ、璃子ちゃん大丈夫?」
「ゆ、雪平くん?!」
驚いて声をあげた。
混乱の中耳元に降ってきた声は、明らかに彼のもので。
そういえば、さっきから全身が何かに包み込まれているような感覚がしてる。
……そっか。
雪平くんが受け止めて……。
「うん、ありがとう。大丈夫」
「無事でよかった」
顔を上げながら答えると、ほっとしたような顔をした雪平くんと目が合い、一瞬ドキッとした。
いや、それより!