子犬系男子は待てを知らない


「わーーーっ! 違っ、ごめん許して〜〜〜っ!!」


赤くなった雪平くんの顔を見て、慌てて後退りするようにして離れた。


「わざとじゃなくて、その……っ」


無意識とはいえ怖すぎる。

ぺたぺたと他人の身体を触りまくるなんて。

こんなの、完全にセクハラおやじじゃん!



「あ、あの〜」


とその時、そろりと上から降ってきた声。

つられて視線を向けると、さっきあたしとぶつかった男の子がなんだか申し訳なさそうな顔をしてこっちを見ていた。


「すんませんした! 俺急いでて……。ほんと、彼氏さんナイスです!」

「かっ……! や、えっと……」


彼氏さんって……!

周りから見たらそんなふうに見えるの!?


「いえいえ、彼女を護るのは彼氏として当然の役目ですから」


ちょっ、雪平くん!?

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